レート1700の価値について
みなさん初めまして、カナタというものです。この度、レーティングにおけるとある事実を一人でも多くの人に知って欲しくてこの記事を書きました。拙い記事かもしれませんが、最後までお付き合い頂けると幸いです。
レートのインフレと、それに伴う基準の上昇
さて。XYからレーティングにおいてレートが伸びやすくなり、所謂レートのインフレが起こるようになりました。レート最上位勢はレート2000を突破し、ルールによっては2100、2200を記録することすらあります。
そして、レートのインフレに伴い構築記事やツイッターなどで投下されるレート〇〇達成!といった報告もレベルアップしていきました。レート1700や1800など通過点に過ぎない、2000を超えるのが真の強者。などという風潮が一部で生まれつつあることは否めないものかと思います。
”その他大勢”が抱える焦りと不安
そして、そんな数値には到底届かない多くのプレイヤーの方々は、多少なりとも焦りや嫉妬を抱えているのではないでしょうか。実際、少し前までの私もそんなプレイヤーの一人でした。何故勝てないんだろう、なんでレートを伸ばせないのだろう。そんな焦りならまだマシで、酷い時は自己嫌悪や強い劣等感に苛まれることすらありました。遥か遠くをゆく、後ろ姿すら見えない強者達に嫉妬し、焦り、苦しい思いをして、大好きなポケモンへの熱意を失いそうになったこともありました。
ですが、本当にそうなのでしょうか。レート1600や1700は単なる通過点に過ぎず、なんら価値のない数値なのでしょうか。レート〇〇以下の雑魚には発言権など無い、といった言葉は、果たして的を射たものなのでしょうか?
高レートに届く人達の実態
下の画像は、PGLのシングルレーティングバトルトレーナーランキングのスクリーンショットです。シングルレートシーズン3の最終成績においてレート2100を超えているラインをスクショしてきたものになります。
如何でしょうか。全ルール中最も人口が多いであろうシングルレートですが、それでもシーズン最終時においてレート2100以上を記録出来たプレイヤーは世界中でもたったの69人しか存在しないのです。
では、2000、そして1900超えを達成した人数を見てみましょう。
2000を超えているプレイヤーは505人、1900を超えているプレイヤーは1227人です。2100や2000と比べた場合、1900超えを達成しているプレイヤーは随分と多いですね。やはり、レート1900は通過点なのでしょうか?
次は、レート1800、そして1700超えの人数を見てみましょう。
1800超えは3245人、1700超えは7953人です。1900超えの人数と比べると、1800超えの人数は倍以上の差があることが分かります。そして1700超えの人数は、1800超えのさらに倍です。
最後に、1600、そして1500超えのラインを見てみましょう。
1600を超えた人数は19523人。そして1500は、なんと脅威の59829人です。1700と1600の間にも倍以上の開きがありますが、1600と1500の間にはおおよそ3倍もの差があります。
確かに1900や1800を超えているプレイヤーの数がそこそこ多いのは事実です。しかし、その下に位置するプレイヤーのほうが何十倍も多いのです。
レートの人口分布が、おおよそピラミッド型になっていることがお分かりいただけましたか?
~7/13追記~
この記事を書いた後、僕よりも先に、この記事よりもずっと詳しく、シングルレートのレート帯別人口についてまとめている方がいたことを知りました。敬意をこめて、また参考として、その記事のリンクを貼らせていただきます。
リンク先の記事も、この記事に載せたスクリーンショットも、あくまでもデータに過ぎません。加えて、リンク先のデータはシーズン1の時のものなので、この記事のデータと単純に比較することも出来ません。ですが、レート上位に属するプレイヤーの数は全体から見ると非常に少ないこと、そして全プレイヤーの中でも1500~1400帯に属するプレイヤーの数が圧倒的に多いことは読み取れるのではないかと私は思います。
~追記ここまで~
何故、レート1800は軽んじられるのか
冷静になって考えてみれば、当たり前のことかもしれません。勝ちを積み重ねる人の影には、それだけ負けた人が存在します。勝てるプレイヤーはほんの一握り。強者の下には、数え切れないほどの黒星を喫した人がいるのです。
ならば何故、1800は通過点などという言葉が出てくるのでしょうか。これも、冷静に考えてみればごくごく当然のことです。
良い成績を残した人は、その事実を広めたがるからです。誰だって、自分の実績は広めたくなるし、多くの人に認めて欲しいでしょうからね(それが悪いことだと言うつもりは勿論ありません)。
そして、良い成績であればあるほど人目を惹き、目立ち、拡散されていく。これも当然のことです。
レート1600到達!という記事と、レート2000到達!という記事が同時にTLに表示されれば、大抵の人は2000の記事のほうに興味を持つでしょう。多くの人が興味を持てば、自然とその情報は拡散されていきます。
そうして高レート達成報告が巷に溢れた結果、いつの間にかそれがたやすいものであるかのような錯覚が生じ、先のような風潮が生まれてしまったのではないでしょうか。
レート1700の価値とは
では、改めて問います。レート1800は、1700は、1600は、単なる通過点に過ぎないのでしょうか。自慢したり自信に思ったりすることなどおこがましいような、チンケな数値なのでしょうか?
私は断言します。断じて、断じてそんなことはありません。確かに上には上がいます。最上位に位置するプレイヤー達には太刀打ち出来ないかもしれません。ですが、1700という数値は誇るに足るものなのです。自信を持っていい数値なのです。1800に、1700に、1600に届かない人は何万といます。その数値に届くのであれば、それは全体から見て十分に強いプレイヤーであることの揺るがぬ証なのです。
そして、1500、あるいはもっと下のレート帯にいるプレイヤーの方々。確かに、その数値は決して高いものではありません。ですが、そのレート帯にいる人の数は、他のどの数値帯に属する人よりも圧倒的に多いのです。そのラインを超えられず、上に上がれない人のほうが圧倒的に多いのです。焦ることなどありません。最初は誰だってそうです。何らかの拍子に勝ち方を覚えるまではみんなそうなのです。恥じることも、自分を卑下することも、焦る必要も無いのです。
たとえ気休めだとしても
最も、こんな言葉は気休め程度にしかならないのかもしれません。勝ちたいという欲求、強くなりたいという願いは、結局のところ強くなることでしか叶えられません。
ですが、周りの成果に焦った時。自己嫌悪に陥りそうになった時。何よりも、大好きなはずのポケモンを嫌いになりそうになった時に。
どうか思い出して欲しいのです。勝てる人間はごくごく一握りであることを。目立たないだけで、多くの人達があなたたちと同じ場所にいることを。
焦ることはないのです。一歩ずつでも、ゆっくりとでも、前に進んでいけばいいのです。
この記事が、たとえささやかであろうとも、焦りや嫉妬を抱えた名もなき多くのプレイヤーの方々にとっての支えになれればこれ以上嬉しいことはありません。
最後に
随分と長い記事になってしまいましたが、そろそろ終わりにしたいと思います。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。読者の皆様が、楽しいポケモンライフを送れることを心より祈っています。それでは!